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(No.6088)「第2回哀しみのモーツァルト」を聴いて

2019.12.13 (Fri)


(クリスマスカクタス:2年目の満開がきれいです:出窓)

「第2回哀しみのモーツァルト」(サントリーブルーローズ)
小林沙羅(S)・仲道郁代(P)・崔文洙弦楽五重奏団 ・三枝成彰(お話)

モーツァルトの短調作品のみを集めたコンサートを聴いてきました。好きな仲道郁代さんのピアノで歌曲5曲、弦楽五重奏団とオペラアリア2曲で、たっぷりと小林さんの歌を聴くことができました。うまいですね、さすが。当初は新人かと思っていたのですが、ベテランの歌い手です。モーツァルトの魅力を存分に聴かせてくれました。

間に何度か、三枝さんのモーツァルトの曲や人となりのお話が入り、おもしろい企画だと思いました。ただ3時間を超えるコンサートになりました。コーラス・歌のレッスンの後だったので、ラストの弦楽五重奏は体力的に限界が来てしまい、ところどころ眠っていました。失礼しました。

-----プログラム-----
ロンド イ短調 K.511仲道郁代(P)
ピアノソナタ第11番 イ長調 K.311より
弦楽四重奏曲第13番ニ短調 K.173(崔文洙弦楽五重奏団4名)
歌曲「希望に希す」K.390(小林沙羅・仲道郁代)
歌曲「魔術師」K.472(小林沙羅・仲道郁代)
歌曲「老婆」K.517(小林沙羅・仲道郁代)
歌曲「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」K.520(小林沙羅・仲道郁代)
歌曲「別れの歌」K.519(小林沙羅・仲道郁代)

歌劇「イドメネオ」K.366より 第1幕第1番ト短調
イリアのアリア「お父様、お兄様、さようなら」(小林沙羅・崔文洙弦楽五重奏団)
歌劇「後宮からの逃走」K.384より 第2幕第10番ト短調
コンスタンツェのアリア「なんという悲しみが私の心を覆っていることでしょう」
   (小林沙羅・崔文洙弦楽五重奏団)
弦楽五重奏曲第2番ハ短調K,406より 第1楽章、第3楽章、第4楽章(崔文洙弦楽五重奏団)
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466より 第1楽章、第3楽章(崔文洙弦楽五重奏団)
08:49  |  音楽  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.6087)GPF羽生結弦選手2位 揺れる心 

2019.12.11 (Wed)


(SP:秋に寄せて)写真は全てお借りしました

トリノで開かれたGPF大会は、羽生結弦選手は2位で終わりました。トロントからドイツ乗り継ぎでジスランコーチがPasp盗難に遭い、トロントで再発行することに。練習とSPには間に合わず、コーチ不在でゆづくんは滑りました。
繊細なフィギュアでのミスがSPで起き、もう逆転できないことを知りつつFSは最高難度構成に組み立て直したのです。通し練習をほぼなしの状態で前半はジャンプもステップも完璧でした。ただ後半に疲れを見せミスが出ます。ラストポーズを取れないほどの全身全霊での演技でした。でもネイサン選手の優勝です。

けれど改善されないジャッジが繰り返されました。SPの後のゆづくんの「絶望」の言葉をどう捉えるか、それぞれです。私にはこのジャッジが続くことへの失意に響きました。全日本大会の後、3月の世界選手権大会でも変わることはないでしょう。そうなると、危険を伴う4Aを含む高難度構成で有無を言わせない演技をしなければなりません。フィナーレでテープで紙の金メダルを作ってリンクを去っていったゆづくんの、大げさにいうなら決死の覚悟で(明日のジョー・本人談)戦おうとする気持ちを感じました。

ゆづくん本人の気持ちはもちろん誰にもわかりません。若干の危うさ(そこで現役最後かも)を含む気持ちを感じ、再びモントリオールの世界戦に立ち会うことを決めました。どうしてもその場にいないと悔いが残ると思うのです。お金にゆとりはありません。私の最後の海外観戦になると思います。ここまで引きつけ、応援できる幸せを感じさせてくれる選手は、もう二度と現れないでしょう。思いを胸に行ってきます。

19GPF_FS8.jpeg
(FS:Origin)

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(エキシビション:Notte stellata)

19GPF_Fn4金メダル
(フィナーレ:テープと戯れる)
16:40  |  スポーツ  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

(No.6086)ウィル・マッキントッシュ「落下世界 上・下」 /ジェイソン・レノルズ「ゴースト」

2019.12.01 (Sun)


(マホニア・メディア:冬空に鮮やかな美:市内)

今日で、ホームページを開設して19年経ちました。
20年目に入るのです。よく続いたものだと思います。この間にブログ、Twitterの取り入れがありました。SNSの急激な変遷は驚くものがあります。パソコンからスマホへも、デバイスとして大きな変化です。これから先、どんな未来が待っているのか、楽しみでもあり体調の維持ができるのか不安もあります。ネットの片隅でひっそりと発信していくことに変わりはありませんが、先細りの度合いがますます進むかも知れません。お時間のあるときに、ちょっと覗いていただけたら嬉しいです。

今回は2作です。
マイクウィル・マッキントッシュ「落下世界 上・下」
ジェイソン・レノルズ「ゴースト」


「落下世界 上・下」 目覚めると人々はみな記憶を失い、1万歩で回れる小さな島で食料もわずか。謎を解くため、フォーラーは世界の縁から飛び出し、見わたすかぎりの青空の中を落下してゆく。落ちた別の島で思いがけない人々と出会う。一方ピーターの世界は、戦争と生物兵器による疫病で壊滅の淵にあった。ピーターの夢の新技術は救いになるか。

虚空に浮かぶ小さな島という設定と、限りなく落下する異常な状態に惹きつけられて読み終えました。多少無理があるけれど、いずれ起こりうる未来かと思うと面白いです。フォーラーとピーターにわずかな希望が残されました。人間の技術の進歩は何を求めていくべきか、考えてしまいました。どこまでいっても、利害と争いはなくならないのでしょうか。そこは希望がほしいですね。

「ゴースト」中学一年の少年キャスは三年前、酒に酔った父親に銃を向けられ、母親と一緒に家から逃げだした過去がある。父親のいない貧しい生活に引け目を感じ、周囲とも距離を置く。逃げ足の速さから自分でつけた呼び名は「ゴースト」。ある日遠くから眺めていた地元の陸上チームに入ることに。履き古したブーツでは走れないため、足首までハサミで切ってしまうキャス。それを笑いのネタにされ、学校からも逃げ出す。試着の靴を履いたまま店から逃走してしまう。それぞれ悩みをかかえるチームメートや監督との関係を通して、自分の才能、そして弱さと向き合っていくことになる。

久しぶりに児童書を読みました。まっすぐで、気持ちがストレートに伝わってくる心地よさがありました。惨めさや、後ろめたさ、嘘。それでも短距離走に向かう姿には、嘘がなくていいですね。もちろん、靴の「もめ事」はきちんと解決させます。お勧めです。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
10:28  |   |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.6085)ジョー・イデ「I Q」/ジョセフ・ノックス「堕落刑事」

2019.11.27 (Wed)


(トキワマンサク "キンラン"="金襴":寒空に紅白のリボンがかわいい。今が開花期?:ベランダ)

カナダで読んだ最後の2作です。ふーっ。宿題が終わった気分です。
ジョー・イデ「I Q」
ジョセフ・ノックス「堕落刑事」


「I Q」ロサンゼルスに住む黒人青年アイゼイアは「IQ」と呼ばれる探偵だ。大金が必要な事情から、腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ」という異様なものだった。奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。そんなアイゼイアが探偵として生きる契機となった凄絶な過去とは。

差別社会の底辺で暮らすアイゼイアは、仕事を続けるうちに深い闇にはまって行きます。ロワールな現場も多いのですが、なぜか惹きつけられて読んでしまいました。アイゼイアの思考に共振させられたのかも知れません。面白い作家です。他の作品も読んでみたいです。

「堕落刑事」押収品のドラッグをくすねて停職になった刑事エイダン・ウェイツ。提示された唯一の選択肢は街に暗躍する麻薬組織への潜入捜査、そしてそこに引きこまれた国会議員の娘の調査だった。危険極まる任務についたウェイツが目にする想像を超えたドラッグ界の闇、そして警察の腐敗。本当の悪の正体とは。心の暗部を抉るように描く。

エイダンは、潜入捜査という、複雑な立場でドラッグの売買の現場に居合わせます。上部組織から目をつけられ、危ない橋を渡ります。最後に笑うのは誰か。警察の上層部なのか、闇社会の上層部か混沌とした展開が面白いです。

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09:55  |   |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.6084)クリスティーナ・ランツハマー ソプラノ・リサイタル

2019.11.27 (Wed)

クリスティーナ・ランツハマー ソプラノ・リサイタルを聴いてきました。
(紀尾井ホール)ピアノ:ゲロルト・フーバー

本格派のソプラノを聴きたくて、ほぼ予想通りの声の豊かさに満足です。一部は構成が硬い曲が多かったですが、真面目なこだわりで歌い切りました。二部は得意とするシューマンで、柔らかさと表情の明るさが曲を盛り上げました。オペラの曲構成とは、ひと味違う落ち着きのあるいいコンサートでした。
ただ客席の寂しさは気のどくで、半分の入りでしょうか。ソリストの演奏会の現状は難しいものがあります。頑張ってほしいです。



-----プログラム-----
パーセル/ブリテン:音楽が愛の糧であるなら/わが苦悩のすべて
         /私ほど幸せな若者は/バラの花よりも甘く
コープランド:「エミリ・ディキンスンの12の詩による歌曲集」から8つの歌曲

J.P.クリーガー:熱愛する女/恋の泣き笑い/恋の悩み/孤独に寄せて
シューマン:リーダークライスop.39
-----アンコール-----
シューマン:言伝/恋の歌
シューマン:ミルテの花より「東方のバラより」
09:13  |  音楽  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.6083)マイクル・コーニイ「パラークシの記憶」/ケント・レスター「第七の太陽 上・下」

2019.11.26 (Tue)


(ハツユキカズラ_紅葉:都内)

寒いですね。本格的な冬だと思いながら、まだなんとなく暖かい日を待っています。
今回は2作。カナダで読んだ作品です。
マイクル・コーニイ「パラークシの記憶」
ケント・レスター「第七の太陽 上・下」


「パラークシの記憶」冬の再訪も近い星の不穏な時代。村長の甥で17歳のハーディは、伝説の女性ブラウンアイズと同じ瞳の色の少女チャームと出会う。記憶遺伝子を持つこの星の人間は、罪の記憶が遺伝することを恐れ、犯罪はまず起きない。だが少年と少女は、背中を刺された男の死体を発見する。ノス村とヤム村は食糧危機を解決すべく、電子工学を駆使する「地球人」との交渉が始まる。

異星人との不思議な共存です。飢餓の時期が長くなりそうな状況で、それぞれの思惑が狂い出します。自然の猛威と、住民たちは必死に生きる方法を探り出そうとします。どんな状況でも、若い人々の恋は芽生えて行きます。重苦しい風景だけではなく、夢のような美しい描写もあり、想像を掻き立てられます。住人と「地球人」との、心の繋がりもありながらの最後の選択が、何をもたらすのか。地球上での出来事としても考えられる面白い物語です。

「第七の太陽 上・下」ダン・クリフォードは、地震など想定外の自然災害「ブラック・スワン事象」の予知のため、ニューロシス社でプログラム開発に携わっている。アメリカ政府との契約が決まって喜んだのもつかの間、無理難題を押しつける社長と意見が対立。その裏に何かがあると感じつつ、休暇を取ってホンジュラスを訪れたダンは、自社の工場で不審な点を発見し、ダイビング中に死体に遭遇する。帰国したダンを待っていたのは、社長からの解雇通告と、自らが死体で発見した科学者カールの同僚、レイチェルだった。

会社が隠匿していた、海中への毒物の不法投棄を知ったダンは、謎の奇病が発生した地域に飛びます。果たして世界を救えるのか。人間社会の利害という、いつの時代もある対立が、壮大な物語になって行きます。ストーリーテラーですね。読ませます。

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