2016年02月 / 01月≪ 1234567891011121314151617181920212223242526272829≫03月

(No.4850)神林長平「ライトジーンの遺産」/中山七里「ハーメルンの誘拐魔」/長谷敏司「楽園」

2016.02.28 (Sun)

ume_omoi16_5_1.jpg
(梅"思いのまま":雪解けの雫がきれい。お庭なので自由な角度で撮れないのが残念:市内)

ume_omoi1sz6_5_1.jpg

ume_omoi1sz6_4_1.jpg

感想を書くことに以前より精神的な努力が必要になってきました。
たぶん、仕事からは慣れて4年経ち思考能力が落ちてきているのでしょう。ソロの歌を始めたのも影響しているかも知れません。月3回の個人レッスンで、復習練習をしているのが楽しいです。いまはたくさんのことを広げ過ぎているのかも知れないとも。花の写真もある意味では撮り尽くしている感じがあります。もちろん出会うたびに違う表情を見せてくれ、新しい発見があって喜びますが。
次回からは読書感想は短いものになるかも知れません。

神林長平「ライトジーンの遺産」
中山七里「ハーメルンの誘拐魔」
長谷敏司「楽園」


「ライトジーンの遺産」なぜか臓器が崩壊して死んでいく未来社会で、人類が頼れるのは人工臓器しかない。人工臓器の総合メーカー・ライトジーン社が臓器市場を独占し、ほぼすべてを支配することに危惧があったため、解体された。残されたのは乱立するメーカーと臓器を巡る犯罪や怪現象だった。ライトジーン社の遺した人造人間コウは、サイファの能力も持つため、市警の新米刑事タイスから捜査の手伝いを依頼された。だが同時期に造られた兄の存在に阻まれる。

硬筆な文章で綴られる未来社会の姿が、想像力を刺激されぐいぐい読んでしまいます。人間も人造人間、一人では満たされないのかも知れません。心というか、つながりの中にだけ自分の存在価値があるという読後感がいいです。

「ハーメルンの誘拐魔」子宮頚がんワクチン接種の副作用による記憶障害で通院中の15歳の香苗が、帰路で母が目を離した隙に消えた。現場には「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。警視庁捜査一課の犬養が非公開捜査に乗り出す。数日後、父親がワクチン勧奨団体会長の娘・亜美が下校途中に行方不明になり、携帯電話と共に「笛吹き男」の絵葉書が発見された。さらにワクチン被害を国に訴えるために集まった少女5人が、マイクロバスごと消えてしまった。犯人像とその狙いが掴めないなか、捜査本部に届いた「笛吹き男」からの声明は、70億円の身代金の要求だった。声明はマスメディアにも届けられ、公開捜査に切り替えられた。

緻密に計算した作品でストーリーを楽しめます。文章もうまくなりましたし、いい作家だと応援しているのです。けれど最初のシーンのあちこちで伏線が見えてしまいます。香苗の誘拐、苦しい家計の香苗の母が、携帯で闘病のブログを開き情報を収集している辺りも違和感が拭えません。それをスルーして読んでも、身代金の受け渡しで翻弄される警察の設定も既視感があるし、犯人設定にも目新しさはありません。やはりミステリの読み過ぎかも知れませんね。と言ってしまうと身も蓋もありませんが。

「楽園」青く深く広がる空に、輝く白い雲。波打つ緑の草原。大地に突き立つ幾多の廃宇宙戦艦。千年におよぶ星間戦争のさなか、敵が必死になって守る謎の惑星に、ひとり降下したヴァロアは、そこで敵のロボット兵ガダルバと少女マリアに出会った。いつしか調査に倦み、二人と暮らす牧歌的な生活に慣れた頃、彼はその星と少女に秘められた恐ろしい真実に気づいた

宇宙戦艦の墓場化している星から見える流星は、星間戦争で破壊された戦艦と戦士たちの最後のきらめきです。敵のロボット兵と元の戦隊に戻るために、機体の修復作業に夢中になる二人はもはや戦友でしょう。失敗が続き、諦めた時に見た少女の役割がせつないです。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
09:17  |   |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.4849)  フィギュア四大陸選手権

2016.02.23 (Tue)


(ツクシ:気の早い君が好き:市内)

フィギュア四大陸選手権のすごさは、かつてない激戦になったことでした。
3月末の世界選手権大会の前哨戦的な印象でしたが、今年はシニアデビュー1、2年の若手がすばらしい演技を見せてくれました。休養から復帰したパトリック・チャンが、本気モードで4回転ジャンプを増やしたり苦手な3回転アクセルを2回飛びました。ボーヤンジンに火をつけられた印象です。いいですね。ベテランがうかうかしていられないと思ったでしょう。
フリー200点越えは羽生結弦、ハビエルについで3人目です。ゆづくんの世界最高得点演技が、これまでの水準を引き上げてしまいました。2種類の4回転と3アクセル、さらにスケーティングやステップ、すべての表現でレベルを取らないと世界のトップに入れないところまできたのです。
たぶん映像を見て、ゆづくんは内心メラメラ闘志を燃え上がらせていることでしょう。世界選手権大会が待ち遠しいです。
09:14  |  スポーツ  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.4848)  メンフィス・オープン 錦織選手優勝 4連覇

2016.02.14 (Sun)


(ノースポール:さわやかな花が笑顔です:歩道のプランター)

メンフィス・オープン 錦織選手が明日決勝進出が決まりました。
準決勝までほぼ順当に勝ち進んできました。4連覇を目指す決勝戦は15日朝6時開始です。有料チャンネル以外TV放送はないので、ライスト応援です。
vsテイラー・フリッツは193cm・18歳で初戦から勝ち上がった新鋭です。例年客席は錦織応援ですがアウェイにならないようにと願っています。錦織選手は昨年、客席のアウェイにどうも弱かったのです。
今年は体調もよさそうで、足も肩も問題なく見えます。リターンもサービスも多くなっているし、どの方向に打ち返すか表情を読ませない強打のボレーもよくなりました。フリッツは勢いがあります。そこをどうコントロールしていくのか、しっかり応援したいと思います。

<PS:13日落ち着いた錦織選手は自分のプレーで、6:4、6:4で優勝です。フリッツは錦織のボレーやサーブをリターンできず、得意の相手を揺さぶる作戦も通じません。ミドルに打ち返されると振ることができない。強打だけでは無理です。でも錦織選手の次の世代の台頭の予感がします>
18:13  |  スポーツ  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.4847)樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ デュオリサイタル

2016.02.14 (Sun)


(ミモザ=銀葉アカシア:もう満開。今朝は春一番もあり)

2月12日「樫本大進&コンスタンチン・リフシッツ デュオリサイタル」を東京オペラシティコンサートホールで聴いてきました。
ベルリン・フィル第1コンサートマスターであり、ソリストとして国際的に活躍するヴァイオリニスト樫本大進の演奏に圧倒されました。弾き始めの押さえた音がたちまち多様に変化していきます。響きの美しさと格調の高さにまず驚かされました。人間の感情の全てを表現してしまうのが、才能なのでしょう。幾人かのヴァイオリンを聴いてきましたが、全く違う骨格のしっかりしたすばらしいものでした。ピアノのコンスタンチン・リフシッツの音も、大きく違うのです。伴奏ではなく、一緒にひとつの音楽を作り上げている呼応する絶妙の駆け引きは、二人の信頼感が伝わってきます。まるで即興曲を弾いているようです。久々にいい音楽に心が満たされた夜でした。

  プログラム
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調
  (休憩)
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番
 --アンコール--
バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタBWV.1019異稿より、カンタービレ マ・ウン・ポコ・アダージョ"
17:56  |  音楽  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.4846)  チョ・ソンジンピアノを聴いて

2016.02.10 (Wed)


(緋梅:深い赤の美しさが好き:公園)

ume-ki11.jpg
(黄梅=オウバイ:シベが目立ち、花びらが少なく地味ですが、味がある:公園)

2月8日「浜松国際ピアノアカデミー第20回開催記念コンサート」(サントリーホール)
出演は優勝者上位3名。1位=チョ・ソンジン 2位=河村尚子 3位=上原彩子 
なおチョ・ソンジン氏は先日、国際ショパンコンクールで優勝を果たしました。

音楽監督の中村紘子氏は若い頃の演奏を聴いたことがあります。しっかりと音楽の道を進まれていらしたのですね。開演前のMCで若い演奏家たちへの愛を語りました。

-----プログラム-----
モーツァルト:ピアノソナタ第12番へ長調K.332(河村尚子)
ラフマニノフ:前奏曲ト長調Op.32-5(上原彩子)
ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番変ロ短調Op.36(上原彩子)
  ---休憩---
ショパン:ピアノソナタ第2番変ロ短調Op.35(チョ・ソンジン)
モーツァルト:2台のピアノ・ソナタ ニ長調K.448(河村尚子&上原彩子)
ラフマニノフ:6手のためのワルツとロマンス(チョ・ソンジン&河村尚子&上原彩子)

河村尚子の1曲目は清澄なピアノの音が溢れ出すような美しさです。弾き慣れた余裕を感じさせます。
上原彩子はまだ自分の音楽世界を作っている途上にいるようです。力強さを出そうとし過ぎかも知れません。
チョ・ソンジンのショパンはさすがで、技術の確かさと自分の世界観と音を伝えてくれます。深みのある高音も音の響かせ方も知っています。ただ華やかさを聞かせるタイプではないようです。好みが分かれそうです。
2人の連弾はよく聴きますが、3人は初めての曲でした。高音からチョ、河村、低音が上原です。それぞれの手が交錯している動きを、カメラ映像的に上から見たかったです。息の合った演奏で楽しませてくれました。
09:40  |  音楽  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.4845)バリー・ライガ「殺人者たちの王」/神林長平「絞首台の黙示録」「誰の息子でもない」

2016.02.07 (Sun)


(白梅・八重咲き:早い開花ですぐに満開になりそう:公園)

ume-piyoko9.jpg
(紅梅:ピンクから真紅までさまざまありますね:公園)

花粉症が始まりました。
朝起きるとマスクをして、洗顔、食事の度に外しながらほぼ一日中付けています。比較的軽いわたしですが、どうしてもほしかったシクラメンを夕方から朝にかけてベランダから室内に入れるため、ひどくなっている気がします。エアコンを入れても花粉は飛び込んできます。我慢するしかありません。高品質のエアコンに買い替えるか、空気清浄機を購入するか、悩みどころです。

今回の3作。間が空いたのは、なかなか感想を書く気持ちになれなかったためです。
バリー・ライガ「殺人者たちの王」
神林長平「絞首台の黙示録」「誰の息子でもない」

「殺人者たちの王」ジャズは希有のサイコ・キラーの父に施された殺人者としての英才教育を見込まれ、連続殺人犯<ハット・ドッグ>の捜査協力をニューヨーク市警に依頼される。調べるうちに、故郷で起きた「ものまね師」事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャスパー(ジャズ)〉のメッセージ。まさか父からの宣戦布告なのか。

高校生のジャズは、自分が無意識にあるいは意識して相手をコントロールする度に苦悩します。事件の設定の巧みさと、軽めの文章が読者が深刻になり過ぎずに読んでいけます。父への憎しみとジャズは認識しているけれど、愛憎が混沌としているようにも見えます。次回の最終作への期待を持たせるラストは、お預けを喰らったようで腹立たしいほどです。待ち遠しいです。

「絞首台の黙示録」長野県松本で暮らす作家のぼくは、連絡がとれない父の安否を確認するため、新潟の実家へと戻った。だが、実家で父の不在を確認したぼくは、生後3ヶ月で亡くなった双子の兄タクミを名乗る自分そっくりな男の訪問を受ける。彼は育ての親を殺して死刑になってから、ここへ来たというのだが。絞首刑のシーンと教誨師もなまなましい。死んだのになぜいるのか。教誨師を訪ねることにする。

リアルな人間の意識、認識、意志、時間、存在というものが、かすかにきしみ揺らいでいきます。実に美しい明確な文体で、物語が展開していきます。人間の内へ内へと入り込んでいく感覚がすごいです。人間の意識が作り出すものすべてが危ういものになり、残るのは生きている人間のささやかな日常と認識なのでしょうか。脳内の時間旅行をした気分になりました。作者の文章が屹立して好きです。おもしろい作品だと思います。

「誰の息子でもない」祖父の田畑を売り払い、母とぼくを捨てて出奔した親父が、高校生の頃に死んだ。十数年後。日本には各家庭に一台、携帯型対空ミサイル(略称:オーデン改)が配備されている。市役所の電算課電子文書係で働くぼくの仕事は、故人となった市民のネット内の人工人格(アバター)を消去することだ。しかし目の前に、死んだはずの親父の人工人格が現れた。

作者の引き締まった文体が好きです。ここまで人格の存在があいまいな、メビウスの輪のような、1点からくるりと世界が裏返しになるような世界を描きながら、骨格のみごとさに驚かされます。ぐいぐい読み進みながら、終わるのが惜しくてゆっくり読みたいアンビバレンツな思いに引き裂かれます。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
09:43  |   |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

(No.4844)  節分とアレルギー

2016.02.03 (Wed)


(シクラメン・ワーリーギグ:年末から次々に花を咲かせてる。痛んだ花は器へ。花びらが落ちてもガクがきれい)

bacopacopia16_5_1.jpg
(バコパ・コピア"ガリバーピンクハート":お花が笑った〜〜♪:ベランダ)

節分ですね。
1週間ほど前から、朝起きるとくしゃみと涙目と鼻水と咳が始まりました。花粉症のスタートです。嫌な時期ですね。
さらに肌の湿疹と頭髪の抜けがひどくて受診すると、塗り薬の副作用が強く数種類試したけれどだめです。ステロイド軟膏と保湿剤クリームで、顔や全身が赤化とかゆみ、胸の苦しさとむくみが出ます。数種類試したけれど合いません。アレルギー反応を起こしてる状態です。抗アレルギー剤を飲みながら、副作用が我慢できる程度の塗り方を工夫しています。治したいのと薬アレルギーとのアンビバレンツ状態です。
めげずに日々を暮らしていくしかありません。
09:47  |  健康  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |