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(No.4070)  中山七里「要介護探偵の事件簿」/水生大海「夢玄館へようこそ」/相沢沙呼「ロートケプシェン、こっちにおいで」

2012.01.29 (Sun)



豪雪地方の雪片付けが、どんなにか大変だろうと心中お察しいたします。
故郷も例年にない大雪だそうです。早く春がきてほしいですね。

先週の3作。
中山七里「要介護探偵の事件簿」
水生大海「夢玄館へようこそ」
相沢沙呼「ロートケプシェン、こっちにおいで」


中山さん。車椅子で「要介護」の香月玄太郎は、不動産会社成功を収めた社長です。介護士のみち子にも呆れられる、強烈な個性の老人です。彼の分譲した土地で建築中の完全密室の家の中から、死体が発見されます。頭の回転が早く、口が達者、裏も表も人脈が広く、お上や権威が大嫌いな玄太郎は、警察が頼りにならないと感じ、みち子を巻き込んで犯人捜しに乗り出します。

通り魔事件を解決するため、小学校の運動会プログラムに「後期高齢者と障害者による車椅子四百メートル競走」をねじ込みます。「徒競走」が「みんなでヨーイドン」という、今どきの「平等」なプログラムの中で、親や子どもや教師に強烈なインパクトを与えます。みごと犯人も判明するのです。

またまた中山さんの別な一面が見られました。町内にはこんな頑固で偏屈なおじいさんがいたら、腫れ物に触るような姿勢の教師も変われるし、親も子どももしっかりした大人になれるだろうと思いました。しかもつい電車を乗り過ごしてしまったほど楽しいのです。中山さんは会社員のようですので、多作は難しいかも知れませんが、これはシリーズ化してほしいです。

水生さん。失業中の花純は、伯母の退院まで古いアパートを改築してできたショッピングモール「夢玄館」の管理人代理を引き受けることになります。家賃の滞納も多く、癖のあるわがまま放題のショップオーナーたちと日常的なトラブルに頭を抱えます。最初は花純の投げやりな姿勢に反発を覚え、なかなかストーリーを素直に受け入れられませんでした。ショップオーナーを見る花純の目が変わっていくことで、ようやく共感できました。アクの強い人間の多面性を、うまく描いていると思います。

相沢さん。須川に、織田さんからカラオケの誘いが入ますが、食事の途中で泣きながら飛び出していってしまった織田さん。いったい何が起きたのか、須川は酉乃に力を借りようと彼女のバイト先『サンドリヨン』へと向かいます。バレンタインチョコを巡る謎や、女子たちの間の微妙な「空気」を巧みに捉えています。そこから這い上がろうと必死に足掻くつらさに、胸が痛いです。酉乃のマジックはおもしろいし、そこをもっと読みたいのと切れ味をよくしてほしいです。

「Book」読書日記に、詳しい感想をアップしましたので、見てくださいね~♪

(写真:エリカ・ダーレンシス:少し地味ですが、長い雌しべが印象的です:花屋さん)
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