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(No.4311)  パトリシア・マコーミック「私は売られてきた」/木内一裕「神様の贈り物」

2012.12.16 (Sun)



冬の日差しを浴び、ベランダではミセバヤの紅葉も終わりかけ、オキザリスの赤とパーシーカラーが蕾を付けています。夏から繰り返えし咲いていた宿根サフィニアは、まだ毎日5つほど咲いています。初の大物の木(60cmに剪定)、ピンクのサザンカも今にも咲きそうで咲かずに、開花を心待ちにしているところです。

先週の2作。
パトリシア・マコーミック「私は売られてきた」
木内一裕「神様の贈り物」

マコーミック。ネパールの山村の13歳の少女ラクシュミーは、貧しいながらも母と弟とヤギ、そして賭け事ばかりしている義父と平和に暮らしていました。けれど義父によって、わずかな金でインドの売春宿に売られてしまいます。過酷な日々の中でもラクシュミーは、同じく暮らす女性の息子から言葉や読み書きを教えてもらいます。
ネパールから売られる少女は、毎年約1万2千人という取材に基づいた衝撃的な小説でした。シンプルな文章でラクシュミーの心と理性とプライドを描き、深い詩情さえ感じさせます。ラストの救いは、勉強好きなラクシュミーならではの劇的なものでした。昔の日本でも、そして今もなお世界中で起きている貧困や、社会や世界の仕組みを知りながらに、何もできない自分がいます。

木内さん。心を持たない殺し屋・チャンスは、裏社会では希有な殺人技術を持っています。たまたま乗り合わせたバスで、ガソリンを撒いたバスジャック犯をボールペン一本で殺します。雑誌記者の知佳のペンを使ったものでした。結果的に乗客を救ったため、ヒーローとしてマスコミから注目を浴びますが、それが原因で裏社会の「育ての親」に頭を撃たれてしまいます。死の淵から生還したチャンスは、世界が変わったことを知るのです。
くっきりとした登場人物たち、無駄を切り捨てた文章、余韻を残したラスト、久々にいい作品と巡り会えました。裏の社会も暗くなり過ぎず、それでいて冷徹な論理で行動する描写もうまいです。シャープな作風に好感を持ちました。

「Book」読書日記に、詳しい感想をアップしましたので、見てくださいね〜♪

(写真:アベリア " エドワードゴーチャー ":淡いピンクが、最後の花を見せています:市内公園)
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