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(No.4502)  熊谷達也「調律師」/朱野帰子「駅物語」

2013.09.08 (Sun)



世界バレー女子。予選ラウンド通過し、来年の決勝ラウンド進出です。
おめでとうございます。きのうは木村選手の最後のサーブ、みごとに締めてくれました。2戦目よりはチームとしてまとまってきた印象です。きょうのタイ戦も勝って4連勝で終わりたいです。
男子も、ニュージーランド戦、韓国戦2勝して来年へ期待したいです。

2020年東京オリンピック決定に沸いています。東京電力福島原発を、約束通り解決してください。公共工事の増加で、復興が遅れませんように。

先週の2作。
熊谷達也「調律師」
朱野帰子「駅物語」

熊谷さん。成瀬玲司は国際コンクールで優勝し世界で活躍するピアニストだったが、10年前の交通事故で引退しピアノ調律師で生計を立てていた。成瀬は、音を聴くことによって香りを感じる「共感覚」を持つ。「共感覚」は、もとは色で見えていたが、同じ「共感覚」の調律師だった妻の死後に、香りとして認識する変化が起きたのだ。学校や家庭の嫌な匂いを持つピアノに向かうと、的確な微調整ができる他に演奏者の心の陰にも気付き、アドバイスができた。ただ所属事務所からはコンサートチューナーとしての、仕事を期待されていたが、あえて避けてきた。それでも断り切れなく向かった仙台で、大事故と遭遇する。
ごく限られた人間が持つ色の「共感覚」は知っていました。設定がおもしろいのは、静かに調律をしている中でピアノを弾いている人間の心も、感じ取るところだと思います。単に正確な周波数に合わせるのではない、小さなドラマがあるのです。成瀬自身も抱えている心の内が、1台づつのピアノと共に変化していく過程が丁寧に描かれています。きちんと人間を見つめる作者だから、執筆の途中に起きた東日本大震災で、作品のラストを変更せざるを得なかった、というのも納得できます。いい作品です。

朱野さん。「大事なことを三つ言っとく。緊急時は非常停止ボタン。間に合わなければ走れ。線路に落ちたら退避スペースに入れ」 酔っ払う乗客、鉄道マニアの同期、全自動化を目論む副駅長に、圧倒的な個性をもつ先輩たち。毎日100万人以上が乗降する東京駅に配属された若菜は、定時発車の奇跡を目の当たりにし、鉄道員の職務に圧倒される。弟の夢を叶えるつもりで仕事に着いたが、路線や運賃計算が完璧に頭に入った有能な改札係員や、人身事故、最新の劇的に変化・進化し続ける巨大な東京駅に、悩み、傷つき、それでも逃げ出さずに進む若菜たち、スタッフの物語です。
東京駅を通勤経路にしていたわたしに取っても、ここまで厳しい仕事とは知りませんでした。通勤客が心を閉ざし貨物化して押し込められる車内で、ときどき起きるトラブルはやむを得ないし、でもアクシデントが発生した時の暖かい周囲の対応もまたあります。駅員や上司の人間関係など、いままで知らない世界をしっかりと取材して書いています。それらとたくさんの登場人物を物語として、展開し、収斂させた作者がすごいです。前作からまた大きく、情に流されず骨太に棒高飛びを成功させたと思います。自作がまた楽しみな作家です。

「Book」読書日記に、作家ごとの感想があるので、見てくださいね〜♪

(写真:ノブキ=野蕗:小さな花が、愛おしいです:公園)
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