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(No.4626)  野崎まど「小説家の作り方」「死なない生徒殺人事件」

2014.03.16 (Sun)



寝台特急「あけぼの」(上野~青森間)は1970年運行開始だったそうです。
2014年3月3月14日上野発の最終便で、廃止になりました。ブルートレイン人気でチケットは売り切れ、1,500人もファンが集まったようです。数日前の夜から、赤羽駅通過列車をトリテツが5人ほどがカメラを構えていました。寝台列車の寝心地が悪く、わたしは新幹線との乗り継ぎに利用しただけでしたが、まだ雪の残る故郷に少しだけ想いを馳せました。

先週の2作。
野崎まど「小説家の作り方」
野崎まど「死なない生徒殺人事件」

「小説家の作り方」「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイディアを閃いてしまったのです」駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。半信半疑の物実が出向いた喫茶店で出会ったのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫だった。50万冊の本を読み尽くしたが、ファンレター以外全く文章を書いたことがないという紫に、物実は「小説の書き方」を指導していく一方で、自分の小説について考えこんでいく。小説を作ることは、世界を作り、キャラクターを作ることであり、特にキャラ作りが得意な物実がたどりついた真実とは。

小説を作ることは現実の世界を認識し、キャラ、つまり人間像を認識していくことです。すでに膨大な知識を持っている紫に欠けているものは、体験することだったのです。物実との共有時間でそれを手にしていきます。ラストの二度三度のどんでん返しもうまいです。この作家の世界、文体に、わたし自身も共振していくようです。さらりとしているようで、深い世界観の作家です。

「死なない生徒殺人事件」「この学校に、永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」生物教師・伊藤が着任した女子校「私立藤凰学院」にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、悩み相談にきていた天名は、ベッシーというあだ名の識別という生徒と友だちになれない話をする。ふてぶてしい態度や言葉の、当人の識別が入ってくる。自分がその「死なない生徒」だと言ってはばからない彼女は、どこか老練な言葉遣いと、学生ではありえない知識をもって伊藤を翻弄するが、二日後、彼女は首を切られ殺害されてしまう。

学園生活が楽しく描かれ、よくある学校の怪談ふうの出だしから、底知れないあるものの存在に変わっていきます。真面目な生物教師・伊藤に「教えるとは命を永遠につないでいく行為」だと説きます。学校のシステムそのものの驚きの存在意義も知らされます。ラストで彼女が伊藤を信じる、いじらしさがなんとも哀しく切なく感じてしまいました。永遠の命という絶望と希望が交叉しました。

「Book」読書日記に、作家ごとの感想があるので、見てくださいね〜♪

(写真:アネモネ:紫も満開です:次第に花が増えていく:ベランダ)
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