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(No.4631)  野崎まど「2」/「パーフェクトフレンド」

2014.03.23 (Sun)



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春の雨が降り、日差しが長くなり、一気に春の暖かさが感じられるようになりました。
木々の花が咲き出し、染井吉野のつぼみも膨らんできました。短い春の後は、また酷暑の夏へ一直線でしょうか。
先週の2作。
野崎まど「パーフェクトフレンド」
野崎まど「2」

「パーフェクトフレンド」4年連続学級委員の理桜は、担任に頼まれ去年から不登校のさなかの家へ行く。一緒のやややと柊子たちの前に現れたさなかは、飛び級で博士号も持っている数学者だった。友だちとは何か、何のために必要か、という問いに興味を持ったさなかは、小学校へ通学することになる。しかし、小学生の規格から外れたさなかは、理桜をからかいながら、型破りな行動を連発し、それまでの平穏な学級生活を慌ただしいものに変えてしまう。

理桜は、天才少女さなかと対等に渡り合うシーンがおもしろいです。「あんた、バッカじゃないの」と一刀両断にしてしまいます。一緒に、井の頭の七不思議的な秘密を探っていくなど、さなかは周りの友だちとの関わりで、論理的に数式では解けない答えを見出していきます。不思議探偵団ごっこ的な勢いで展開し、きちんと伝えることは心に残す作家です。

「2」数多一人は、超有名劇団『パンドラ』の舞台に立つことを夢見る。入団試験を乗り越え、劇団の一員となった。遅れてきた応募者の女性・最原最早がテストのたったひと言の台詞を口にすると、劇団員はひとり、ひとりと自分の演技に自信を失い退団し、劇団は解散してしまう。最早から「映画に出ませんか」と誘われ、たった二人で映画を創るための日々をスタートする。監督として最早が撮ろうとする映画とはどんなものなのか、全ての謎を秘めたままとてつもないスポンサーをつけ、動き出す。

この作品「2」の前に、「[映]アムリタ」「舞面真面とお面の女」「死なない生徒殺人事件」「小説家の作り方」「パーフェクトフレンド」を読んでいた方が面白さが増します。天才が創作の果てを想像し見据えて、創作していきます。そこになにが生まれるのか。一人の天才のために周りの余計な出来事が徹底的にそぎ落とされて、その天才だけがみえる理想形のようなものに近づいていきます。創作とは何か、人間とは何か、愛とは何か、感動とは何か、哲学的でもあり根源的でもある問いに、答えはあるのでしょうか。ラストは少しSFだから許されるところだったのは、少しだけ肩すかしを食った感は免れません。全体としてはいい作家であり、いい作品だと強く印象付けられたのは確かです。

「Book」読書日記に、作家ごとの感想があるので、見てくださいね〜♪

(写真:オカメザクラ=おかめ桜:小さなピンクの桜が、愛おしいです:公園)
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