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(No.4676)  乾ルカ「モノクローム」/美奈川譲「特急便ガール!」/黒川博行「悪果」

2014.08.06 (Wed)



猛暑の折り、暑中お見舞い申し上げます。

暑いを通り越して、朝も窓を開けられない日が続いています。25度以上の夜を「熱帯夜」27度以上を「スーパー熱帯夜」と呼ぶとかにぎやかです。
前回から3作。
乾ルカ「モノクローム」
美奈川譲「特急便ガール!」
黒川博行「悪果」

「モノクローム」母子家庭の流棋士の子として生まれ、幼いときに母に捨てられ孤児院で育った少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由を探そうとする。
「僕を捨てた理由。僕の、これからの生きる道。答えは全部、碁盤の上にある」思い込んで、囲碁に夢中になっていくのは、わからないではありません。ただ当時の母の対戦相手や周囲の人を捜して話を聞くのは、補足以上の行動になります。作者に、盤上で全てを知るほどの力がなかったかと残念です。

「特急便ガール!」上司を殴って一流商社を辞めた元OL、吉原陶子。同僚のツテでバイク便運営会社に身を置くが、超個性的なメンバーが揃っていた。長距離の荷物を手持ちで運ぶ「ハンドキャリー便」担当として働き始めたが、不思議な事態に遭遇する。京都までの便を引き受け新幹線のドアを開けると、見知らぬ古風なお屋敷の部屋だった。表札で届け先であることを確認し、受領印をもらい不可解なまま帰社する。それからも幾度か続く力は届ける荷物にありそうだと気付く。
負けず嫌いで行動力のある陶子は、自分を見るようで思わず苦笑です。謎の現象と、個性的な社長を始めとするライダーたちも、なかなかおもしろいです。ちょっとした異世界と交叉する現代が楽しめます。

「悪果」堀内は防犯課の刑事として上昇志向もすでに失い、情報屋から多少の旨味ももらい餌も撒き、小さな事件を解決していた。二つの暴力団がらみの賭博情報をつかんだ。これで上手くいけば、美味しい金額を手に入れられると踏んだ。
正義感や矜持もなくした刑事の、末路は哀れです。作家の意図する情報を得るための餌撒きや繋がりに、何を書こうとしたのでしょうか。シリーズ1作目だそうです。5作目で直木賞受賞だそうですが、たぶん手に取ることはないでしょう。

「Book」読書日記に、作家ごとの感想があるので、見てくださいね〜♪

(写真:デュランタ:出店の廃屋の後ろで、ひっそりと咲いてみる。見上げると55階のタワー。)
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