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(No.4702)両角長彦「便利屋サルコリ」/トム・フランクリン&フェンリイ「たとえ傾いた世界でも」/谷甲州「星を創る者たち」

2014.10.15 (Wed)



これから雨になるようです。曇り空です。
最高気温予報が18度で、前日差がー9度では体調管理がお手上げです。朝練の服が半袖+白ジャージから、長袖+紺色パーカーは極端過ぎますよね。今朝は汗もかきませんでした。関東に住んでいる住人全員を風邪っぴきにしたいのでしょうか。

今回の3作。
両角長彦「便利屋サルコリ」
トム・フランクリン&ベス・アン・フェンリイ「たとえ傾いた世界でも」
谷甲州「星を創る者たち」


「便利屋サルコリ」失言議員がいれば辞職の危機から救い、自殺志願者がいれば思いとどまるよう説得し、行方不明者のブログ代筆や替え玉受験、切腹する男の首の切断まで引き受ける。便利屋の破天荒3人が巻き込まれていく。
7つのミステリーと5つのショートストーリーで、歯切れよく構成されています。シニカルな笑いと、ブラックな展開が楽しめます。

「たとえ傾いた世界でも」ミシシッピ川の増水により崩壊が近づく町で、ディキシー・クレイは幼い子を亡くし、夫・ジェシにも絶望していたが気丈に密造酒を作っている。潜入調査のため町に向かう密造酒取締官のインガソルは、銃撃戦に巻き込まれ奇跡的に生き残った赤ん坊を拾ってしまう。ディキシーのことを聞きつけたインガソルは、敵対関係とは知らず彼女に託す。ジェシとインガソルの攻防、ジェシとディキシーの激しい争いの中、ついに川の防波堤が決壊する。

禁酒法をめぐって密造酒作りや警察との贈収賄がはびこる街の設定や、登場人物のキャラが人間臭く泥臭いです。貧困に喘ぐ人々の群像の描き方もうまいです。希望もなく極限で生きている男も女が、なんと魅力的なことでしょう。ライフル銃を構えるディキシーの息づかいまで、聞こえそうです。ラストの洪水の中を生き抜く、緊迫感に引き込まれてしまいました。決して捨てない明日が、きらめいて見えます。

「星を創る者たち」月の地下交通トンネル、火星の与圧ドーム、水星の射出軌条、木星の浮遊工場。太陽系の開発現場で前例のない事故が起き、現場の技術者たちは知恵と勇気で立ち向かう。「宇宙土木」シリーズ、第1話「コペルニクス隧道」から四半世紀を経ての最終話。
ハードSFファンではないので、初めて読みました。地上での磨き上げた、熟練の技術者たちに共通する感覚が人間的です。ただ展開が慣れないせいか、途中で挫折しそうになりました。理系の土木は苦手かも知れません。

「Book」読書日記に、作家ごとの感想があるので、見てくださいね〜♪

(写真:タカノツメ=鷹の爪:家庭菜園をしている友人からいただく。魔除けにもなると)
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*Comment

★土地の雰囲気のある小説

こんにちは。『たとえ傾いた世界でも』、アメリカの南部の雰囲気が濃厚に漂っているところも面白かったですね。やっぱりアメリカの南部って怖いのか・・・(笑)
行き場のない男女が、ここから脱出する希望を培っていく過程にも心打たれました。
くら |  2014.10.15(Wed) 23:36 |  URL |  【コメント編集】

★南部の

こんにちは。アメリカの南部って、時代的に特有のものがあるような気がします。荒々しい風土。そして、たくましい女性像(^^)
絶望的な状況から這い上がろうと足掻く、人間の極限での優しさ。ほんのわずかな希望。いい本と出会えました♪
yui |  2014.10.16(Thu) 16:41 |  URL |  【コメント編集】

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