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(No.4785)中山七里「ヒポクラテスの誓い」/七河迦南「アルバトロスは羽ばたかない」

2015.06.07 (Sun)

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(ガクアジサイ:淡いブルーが美しい)

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(ガクアジサイ:街路樹の下をおおい尽くしそう:市内)


(エノテラ・アフリカンサン:倒れても花を咲かせる生命力:市内)

今回は2作です。
中山七里「ヒポクラテスの誓い」
七河迦南「アルバトロスは羽ばたかない」


「ヒポクラテスの誓い」真琴は浦和医大の研修医だが単位不足のため、法医学教室に入ることになった。出迎えたのは法医学の権威・光崎教授と「死体好き」な准教授キャシーだ。超一流の解剖の腕と死因を突き止める光崎の信念に触れた真琴は、次第に法医学にのめりこんでいく。「既往症のある遺体が出たら教えろ」と、古手川刑事は光崎に依頼されていた。管轄枠を越えてまで光崎が解剖する遺体には、敗血症や肺炎などの既往症がある。偏屈な老法医学者と女性研修医が導き出した真相が、次第に明らかになる。

中山さん、しっかりと調査・体験されたのでしょう。解剖の描写のリアルなこと。臨床医と解剖。依頼要請書が届く前に解剖を始める光崎が何を考えているのか、ラストで明かされます。「生者と死者の区別なく、目の前の患者を治療する」なかなか言葉にする医師はいないのが現実でしょう。でも光崎の姿勢に救われます。描く世界がまた広がり続けていく中山さんの、次の作品がもう楽しみです。

「アルバトロスは羽ばたかない」児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、春から晩秋にかけて学園の子どもたちに関わる四つの事件解決に奔走した。だが子どもたちが通う高校の文化祭で、校舎屋上からの転落事件が起きる。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか。

回想の形で進む展開が、視点のぶれを感じさせて落ち着きませんでした。思い込みの激しい子どもたちの言葉と、ショットカットのように差し込まれる会話シーンが読者をミスリードさせていきます。そこにトリックをしかけての、ラストのどんでん返しは、うまいけれど納得できないものがありました。引き込まれるけれど、余計な描写が多過ぎて読み飛ばしたくなります。素材もいいのに残念です。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
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