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(No.4800)村上龍「希望の国のエクソダス」/アンディ・ウィアー「火星の人」

2015.07.30 (Thu)


(クレオメ:お気に入りの花。もうベランダにはないけれど)

猛暑にも関わらず、読書が進んでいます。読める時は読むぞ、と宣言してみます。

村上龍「希望の国のエクソダス」/アンディ・ウィアー「火星の人」
「希望の国のエクソダス」2002年、失業率は7%を超え、円が150円まで下落した日本経済。アフガンゲリラに参加した16歳の少年をきっかけにして、日本の中学生80万人がいっせいに不登校を始める。彼らのネットワーク「ASUNARO」は、ベルギーのニュース配信会社と組んで巨額の資金を手にし、国際金融資本と闘う。少年犯罪の凶悪化、学級崩壊など、さまざまな教育問題が噴出し「学校」「文部省」「親」と責任の所在をたらい回しにする世間を尻目に、子どもたちは旧来の前提に縛られた大人の支えを必要としないことを立証する。やがて北海道に移住し、地域通貨を発行するまでに成長していく。

設定の子どもたちの「物質的になんでもあるが、希望だけがない」という言葉はいまも状況は変わっていません。さらに悪い事態も迫っています。村上さんの作品からはずいぶん遠ざかり、しかも15年前の作品ですが、インパクトがありました。激しい感情の発露のない子どもたちの表情が、近未来だとすると背筋がぞっとします。希望を見出し続けられるのでしょうか。「ASUNARO」崩壊の予感がわずかに描かれているままに終わります。最近の作品も読んでみたいと思います。

「火星の人有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、6名の調査隊によるものだった。猛烈な砂嵐で中止を余儀なくされる。機体に乗る寸前に折れたアンテナがマークを直撃、砂嵐のなかへと姿を消した。船長の悲愴な決断で火星を離脱する。ところが奇跡的にマークは生きていた。不毛の赤い惑星に一人残されたマークは、限られた物資、自らの知識とエンジニアの技術を駆使する。ハブの中で予備のEVAスーツを使い、水と土を作りジャガイモ栽培、地球との通信も復活させていく。

絶望的な課題を突きつけらては、乗り越えるとまた別の難題が降りかかる。ひるまずユーモアと希望を失わないマークが魅力的です。エンジニアの素質と生命力が突出しています。展開の早さと説得力のある危機脱出力で引きつけます。長編ですが、最後まで飽きさせません。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
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