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(No.4833)長谷敏司「BEATLESS」/シーラッハ「カールの降誕祭」/乾石智子「夜の写本師」

2015.12.06 (Sun)


(細葉ヒイラギナンテン:ビルのエントランスでよく見かけます:市内)

早くも12月になり、年末の慌ただしさになんとなく巻き込まれる季節です。フィギュアスケートはGPF、全日本大会。コンサート納めは16日オペラシティ近江楽堂「聖夜に響くノエルの歌声 村松稔之」カウンターテナーです。先日の東京音楽コンクールで2位の方です。まだ声の固さはあるけれど、成長が楽しみです。

今回の3冊。感想を書くのが少しづつ億劫になりつつあります。
長谷敏司「BEATLESS ビートレス」
フェルディナント・フォン・シーラッハ「カールの降誕祭」
乾石智子「夜の写本師」


「BEATLESS ビートレス」今から100年後の未来では、社会のほとんどの仕事をhIEと呼ばれる人型ロボットに任せている。人類の知恵を超えた超高度AIが登場し、人類の技術をはるかに凌駕した物質「人類未到産物」が生まれ始めた。17歳の少年アラトは、美しい少女の人間型ロボット「レイシア」と出会い、オーナーになる。人間そっくりの彼女にアラトは戸惑い、疑い、翻弄され、そしてある選択を迫られる。信じるのか、信じないのか。彼女たちはなぜ生まれたのか。彼女たちの存在と人間の存在意義が問われる。アラトの決断は・・。

硬派なSFでいながら、アラトのほのかな恋も描いています。人間と人型ロボットや、頭脳と兵器を用いた迫力のある駆け引きが、臨場感と迫力があります。超高度AIを操って世界を手に入れようとする、本当の悪は誰なのかを、納得のいく筆致で最後まで読ませます。映像で見たいと思いました。魅力的な世界観の作家です。

「カールの降誕祭」日本人女性に恋をしたパン職人が、「まともなパン屋」でなくなってしまった・・「パン屋の主人」
規律を守り、公明正大だった裁判官に退職後おとずれた、すさまじい人生の結末・・「ザイボルト」
10世紀から続く貴族トーアベルク家。クリスマスの帰省中に息子が起こした悲しい惨劇・・「カールの降誕祭(クリスマス)」

掌編3編と版画家タダジュンによる謎めいたイラストが、不思議な雰囲気をかもし出しています。ここまで凝縮された作品は、これまでの作家の新しい一面を見せてくれます。読み逃したくない作家ですね。

「夜の写本師」右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る「夜の写本師」の修業を積む。さかのぼること1000年前の惨劇。死に際に復讐の呪いをかけ、何度も生まれ変わったものが魔道師を追い詰めていく。

原因となる惨劇の描写がおもしろいです。何代にも渡る、憎しみの強さと戦わざるを得ない繰り返しがすさまじいです。ラストの「夜の写本師」が少し弱いのが残念です。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
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