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(No.5864)アーナルデュル・インドリダソン「声」/佐々木譲「地層捜査」/森 晶麿「ホテル・モーリス」

2016.04.18 (Mon)


(ネモフィラ:名勝地でなくとも、充分美しい:市内)

読書量が多くなっているのに、感想が書けずにいます。
今回は3作です。
アーナルデュル・インドリダソン「声」
佐々木譲「地層捜査」
森 晶麿「ホテル・モーリス」


「声」クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下室で、一人の男が殺された。ホテルのドアマンだった孤独な男は、サンタクロースの扮装のままめった刺しにされていた。捜査官エーレンデュルは捜査を進めるうちに、被害者が幻の天才美声少年歌手だった過去を知る。父から厳しく支配された少年が最高の舞台で声変わりをする悲劇、そして車椅子の父を世話をする姉。自らも癒やすことのできない傷を抱えたエーレンデュルが、ついに事件の真実にたどり着く。

序盤の展開のスローさが途中から、ホテルの支配人、コック長の悪事、部屋の清掃人、高級娼婦、エーレンデュルの娘との確執、登場人物の多様さと絡みをじつに巧みに描いていきます。一人一人が抱える心の傷に解決の光を見せ、読後感も明るいです。

「地層捜査」キャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前に起きた新宿区荒木町の元・芸妓殺人事件を再捜査することになった。捜査は水戸部と刑事を退職した相談員加納の二人で、町の底に埋もれた秘密と嘘に迫っていく。

15年で変わってきた裏寂れた街や、そこに住む人々の変遷が浮かび上がってきます。バブルも知らない若手刑事が、地上げや暴力団絡みの時代を丹念に掘り起こしていく捜査は、まさに地層を採掘していくようです。地道な展開が飽きさせず、ラストの意外性もあり悪くありません。

「ホテル・モーリス」芹川准は叔父の会社の社員だったが、突然ホテルの支配人を任された。期間は6日間、ギャングたちの大宴会までだった。客数の減少と予算不足と問題が山積みのホテルで、准はオーナーのるり子、コンシェルジュの日野たちと仕事を始める。初日から早速、怪しげなカップルと奇妙な少女とギャング、世界的バレリーナまでもがチェックインした。「お客様の心に寄り沿った最高のおもてなし」をする伝説のホテルを、維持できるのかさえ危うい状況だった。

おもてなしと裏の顔のスタッフたちが痛快です。必死に乗り越えようとする奮戦が、読んでいて楽しいです。ちょっとしたシニカルなやりとりもいい雰囲気です。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
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