2017年05月 / 04月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫06月

(No.5895)フェルディナント・フォン・シーラッハ「テロ」/佐々木譲「犬の掟」

2016.07.13 (Wed)


(ユーフォルビア"白雪姫":小さな花の集まりが華やか:市内)

暑さの割に読書が進み、今回は2作です。
フェルディナント・フォン・シーラッハ「テロ」
佐々木譲「犬の掟」

「テロ」ドイツ上空で旅客機がハイジャックされた。テロリストがサッカースタジアムに旅客機を墜落させ、7万人の観客を殺害しようと目論んだのだ。しかし緊急発進した空軍少佐が独断で旅客機を撃墜する。乗客164人を殺して7万人を救った彼は英雄か。犯罪者か。結論は一般人が審議に参加する参審裁判所に委ねられた。検察官の論告、弁護人の最終弁論。有罪と無罪、ふた通りの判決が用意された衝撃の法廷劇。

論告、弁論、被疑者証言。あまりにも国家の正義、軍人の正義が定石通りの論理で、ほとんどほころびがありません。論理が揺れるのはごくわずかです。もっと深い裂け目を、期待し過ぎたのかも知れません。ゆだねられる読み手として、戸惑ってしまいました。

「犬の掟」東京湾岸で射殺体が発見された。蒲田署の刑事二人は事件を追い、捜査一課の刑事二人には内偵の密命が下される。所轄署より先に犯人を突き止めろ。浮かび上がる幾つもの不審死、半グレグループの暗躍、公安の影。二組の捜査が交錯し、刑事の嗅覚が死角に潜む犯人をあぶり出していく。

多数の登場人物と組織の構図を描き分ける力は、相変わらずすごいです。ただ今までの作品に比べ、一人一人の心の動きが深くなかったので、キャラ立ちしていない印象です。それが犯人像を浮かび上がらせにくくしてしまったかも知れません。あまりストーリーテラーに寄らないでほしいところです。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
関連記事
17:44  |   |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 
 | BLOGTOP |