2017年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

(No.5980)薬丸岳「Aではない君と」/谷崎由依「囚われの島」/河野裕「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」

2017.08.09 (Wed)


(ヌスビトハギ:今年も小さな小さな花がきれいです:公園)

大きな被害を残した台風5号。関東は影響が少なく逸れてくれました。
きょうは長崎原爆投下から72年の祈りの日。6日は広島でした。ネットで被爆当時の写真や体験記を見られるのですね。最初に衝撃を受けたのは、峠三吉の詩集でした。たくさんの映像や資料も読みましたが、最近は積極的には見なくなっていました。風化させてはいけないけれど、戦争へ駆り立てられる風潮のマスコミや批判しづらい空気が怖いです。
猛暑37度予報はおそらく体感は40度でしょう。水を求めてさまよった被災者の方々を思います。

今回は3作です。
薬丸岳「Aではない君と」
谷崎由依「囚われの島」
河野裕「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」

「Aではない君と」同級生の殺人容疑で14歳の息子・翼が逮捕された。親や弁護士の問いに口を閉ざす翼は事件の直前、父親に電話をかけていた。会社の飲み会で出られず、かけ直すが繋がらない。その電話に出ていたら。別れた妻と暮らす息子とは数ヶ月程度に電話する程度だった。息子からのSOSを感じ取れなかった。息子の事を顧みなかった過去を悔いる両親。父親は弁護士とともに探っていく。真相は語られないまま、親子は少年審判の日を迎える。

しばらく読んでいなかった作家です。うまくなっていたのですね。父の視点から犯罪者になった息子と、真っ正面から向き合ういい作品です。自分の子どもが加害者、被害者のどちらの立場にもなり得る時代です。成長とともに、親が知らない悩みや悲しみを持つ子どもの心に、寄り添う難しさを考えさせられます。「心を殺すのと、体を殺すのと、どっちが悪いの?」とっさに息子に答えられず、父親も考えていきます。いまの子どもはわからない、という方にも是非お勧めです。

「囚われの島」誰か「罪」を犯したのか。盲目の調律師に魅入られた新聞記者の由良。二人の記憶は時空を超え、閉ざされた島の秘密に触れる。

盲目の徳田が飼っている蚕に魅入られた由良は、お互いによく見る夢の共通点に気付きます。彼の思考に近づこうと踏み出していきます。その特殊な空間の、空気感、皮膚感覚、聴覚、幻想的で美しいです。滅びた養蚕の村の戦争前夜の描写も、ラストまで捉えどころのない感覚世界を受け入れられるかどうかで、評価が分かれると思います。おもしろいけれど、もう一度この作家を読みたいとは思いませんでした。

「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」夏休みの終わりに、真辺由宇と運命的な再会を果たした七草は「あなたは引き算の魔女を知っていますか」彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女。ありえない組み合わせが、確かな実感を伴って七草と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が明らかになっていく。

ラノベとして軽く楽しめました。どこかつかみ処のないキャラも、ストーリーも、展開も全部受け入れて読むしかありません。読み終わってなにも残りませんでした。

「Book」読書日記は作家ごとの感想です。よかったらどうぞ〜♪
関連記事
09:30  |   |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 
 | BLOGTOP |